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中島敦全集〈1〉 (ちくま文庫)
![]() ![]() | 中島敦全集〈1〉 (ちくま文庫) 価格: ¥ 1,050 / 発売日: 1993-01 売上ランキング: 29240 / 通常24時間以内に発送 おすすめ度: ![]() 感想: 中島敦といえば中国ものが有名だが、全集を読むと実はそれ以外のもの(かつ良作)が結構あるというのが良くわかる。 ・古譚 古代オリエントを題材にした短編いくつかと山月記 ・光と風と夢 「宝島」のスティーブンソンの晩年を描いた長編 第十五回芥川賞候補となるも、ほとんどの芥川賞選考委員から「奇を衒う面白さはあるが、到底、芥川賞に値する作品とは思えない」と評価される。 (これは、それ以前にでていた山月記も含めての評価らしい) 審査員でただ一人川端康成だけが「芥川賞に値しないとは、私には信じられない」と述べた。 ・「斗南先生」 中島敦の分身である三造が登場。その後も三造が登場する小説が書かれている。 端正な中国もの ― 。中島敦の作品といえば一般的にそんなイメージだろうか。確かに彼の中国ものは典雅にしてつよく深い。他の人気文庫(作品集)もそれらを中心に収めている。 だが、それだけか? 本書は全集であるから、彼のそれ以外の面も知ることができる。例えば「光と風と夢」。主人公の英国人作家R.L.スティヴンスンは序盤から怒っている。当時の英・米・独が彼の定住するサモアの人々にあまりに「横暴」だからである。彼にとってサモアの人々は年月を重ねる中で、「我が褐色の友」となっていく。同じく呼吸器に重い病を抱える中嶋敦の主人公への強い思い入れを察するにつけ、ほとんど熱いとも言うべき温かさが伝わってくる。 他、植民政策下の朝鮮で屈折した心を抱える親友と、細やかすぎるほどに彼のプライドを気遣う少年の「私」を描く「虎狩」や、一高時代の習作「巡査の居る風景」などからも博学故の卓見、即ち矜持という概念を人間の尊厳へと押し広げた作者の深い認識がうかがえる。 |
中島敦 [ちくま日本文学012] (ちくま日本文学)
![]() ![]() | 中島敦 [ちくま日本文学012] (ちくま日本文学) 価格: ¥ 924 / 発売日: 2008-03-10 売上ランキング: 210667 / 通常24時間以内に発送 おすすめ度: ![]() 感想: 中島敦の文章は美しい。硬質で無駄が無いが、声に出して読みたくなる独特のリズムがある。私が作家=中島敦に惹かれる理由の一つとして、彼の文体を挙げるのに些かの躊躇もない。しかし、彼の文体によって紡がれる作品の内容に目を向けると、私は知識人=中島敦に同情を禁じ得ない。 彼の生まれた明治という時代は、様々な価値観が流れてきた時代である。日本人とは根の異なる西洋の概念を、明晰な中島は理解できた。が、自分の物として同化する事にはためらいがあったのではないだろうか。幼い頃から漢文に親しみ、儒教にも通じていた中島敦。人生に対して生真面目であり、頭脳明晰な彼だけに、自分の根を何処にはればよいのか、思い悩んでいたに違いない。かめれおん日記や悟浄出世に顔を覗かせる、形而上学的な不安感、虚無感は、こうした時代背景も関与していると思われる(もちろん中島自身がそういった形質の持ち主であったことが大きいとは思うが)。 目まぐるしく変わっていく時代の中で、自らが普遍的と納得できるような価値観を求め続けたさすらい人、中島敦。現代人との距離感をそれほど感じないのは、私だけではないはずだ。 |
中島敦 (ちくま日本文学全集)
![]() ![]() | 中島敦 (ちくま日本文学全集) 価格: / 発売日: 1992-07 売上ランキング: 247640 / おすすめ度: ![]() 感想: 中島敦の名作がそろってます。中島敦が好きなら、買いです。 芥川賞候補作になった『光と風と夢』が収録されていないがちょっと残念。(→ちくま文庫で出てる『中島敦全集』全三巻なら読めます) 池澤夏樹の解説はビミョー。 珠玉の短篇が詰まった、素晴らしい作品集。寡作だった中島敦の作品の多くが収録されています。中国を舞台にした有名な「山月記」や「李陵」、南洋諸島での経験を題材にした作品、その他「かめれおん日記」や、「悟浄出世」などが収められています。 自分を厳しく見つめ、いかに生きるべきかを徹底して考え抜いている中島敦の作品は、さまざまな価値観が渦巻く現代において、自分の拠って立つべき場所はどこなのかを常に自問自答する大切さを教えてくれます。「山月記」の虎、「李陵」の司馬遷、「悟浄出世」の悟浄など、魅力ある登場人物が己の生き様を見つめる姿は、心を打ちます。 池澤夏樹氏が解説を書いていて、最後に素敵なおまけが付いている感じです。日本文学好きにはお勧めの一冊です。 |
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